【歌詞】上野発の夜行列車は現在どうなってるか知ってる?【津軽海峡冬景色】

※アフィリエイト広告を利用しています

音楽

昭和の名曲、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」

歌詞を見ただけでメロディが浮かんできますよね。

その歌詞中に登場する「上野発の夜行列車」は今どうなっているかご存じですか?

どんどん本数を減らし、死語になりつつある夜行列車の現在について解説します。

スポンサーリンク

「津軽海峡・冬景色」とは?

「津軽海峡・冬景色」は1977年の元日、1月1日に発売された石川さゆり15枚目のシングルです。

第19回日本レコード大賞の歌唱賞はじめ数々の賞を受賞した大ヒット曲で、演歌歌手関係ないジャンルの人にも多くカバーされ、世代を問わない有名楽曲になっています。

「NHK紅白歌合戦」では2021年まで合計12回歌われ、これは石川さゆり自身が歌う「天城越え」に次ぐ紅組歴代二位の記録となっているのです。

歌詞の内容は、東京を出発し、本州最北端の青森駅から津軽海峡をこえ北海道に渡る一人の女性の心情を表すものになっており、どこか寂しげなメロディと相まって涙を誘われる人も多いのではないでしょうか。

また楽曲が発売されてから45年が経過した今となってはもうみられない描写も多々あり、時代の移り変わりを感じられる点があるのも特徴です。

スポンサードリンク

歌詞中に登場する夜行列車は何?

その一つが印象的な歌い出しの中にある「夜行列車」ですね。

歌詞が書かれたであろう1976年当時、上野駅を出発して青森駅に到着する列車は非常に多く、夜行列車に限ってもゆうに10本以上あったそうです。

そんな中、歌詞に登場する女性はどの夜行列車に乗ったのでしょうか。

描かれている歌詞が1976年という前提でみると「ゆうづる」「十和田」「はくつる」「八甲田」といった夜行列車が存在していました。
この中で特急は「ゆうづる」「はくつる」の二つです。

「連絡船までみんな無口=黙っていた」ことから青森駅には早朝に到着したのでしょう。

その条件で考えると19時台~20時頃の「ゆうづる1号」か「ゆうづる2号」に絞られるようです。ただ連絡船の接続を考えた場合「ゆうづる2号」は降車後、やや急がなければなりません。

歌詞に登場する女性は、連絡船でひとり泣いていることから、離婚、あるいは単に恋人と別れたけれども男性への未練が少し残っているように思われます。

そういったことからもなるべく東京に残っていたい心理が働き、後発の「ゆうづる2号」に乗ったのではないでしょうか。

連絡船は無くなった?

「津軽海峡・冬景色」の中で女性がひとり乗った「連絡船」は北海道と青森の間にある津軽海峡を横断する「青函連絡船」(鉄道連絡船)のことです。

鉄道連絡船とは、線路を通すことができない海や湖などの上を、それぞれの間をつなぐ目的で就航する船のことです。

「青函連絡船」は文字通り青森と函館の間を、1908年から長きにわたって多くの人々を運び続けていました。

しかし1988年に青函トンネルが開通したおかげで、列車のみで本州から北海道に渡れるようになり、役目を終えることになりました。

したがって、現在は運航されていません。

ただ、連絡船という形ではありませんが、フェリーとなって1日8往復しているので、船で渡れなくなったわけではないのです。

スポンサードリンク

上野発、青森行の夜行列車は現在どうなった?

夜行列車の本数がどんどん減少している昨今ですが、歌詞に登場する「上野発青森行」の列車はどうなったのでしょうか?

1982年に東北新幹線が開業されて以降、徐々に本数を減らしていきました。

1990年代から2000年代には一気に少なくなり、上野駅から東北方面行きに限定すると、2013年末の時点で、札幌行「カシオペア」「北斗星」と青森行「あけぼの」の3本になっていたのです。

したがって「あけぼの」1本のみが「上野発青森行」列車として生き残っていたことになります。

2014年3月をもって「あけぼの」は定期運行を廃止され、「上野発青森行」の夜行列車は全廃となり、津軽海峡・冬景色の冒頭の歌詞通りの動きはできなくなりました。

ちなみに、2016年に北海道新幹線が開業されたことにより、北海道への玄関口となる鉄道駅は青森駅から新青森駅へと完全移行したこともあって、青森駅から北海道に向かう旅客列車の設定は無くなってしまいました。

スポンサーリンク

上野発の夜行列車自体は残ってる?

青森行ではないにせよ、上野発の夜行列車はまだ残っているのでしょうか?

上野発の夜行列車2009年時点で4本。前述の「北斗星」「カシオペア」「あけぼの」に加えて金沢行の「北陸」が残っていました。

「北陸」は車両の老朽化や利用者の大幅な減少によって2010年3月に定期列車ではなくなり、

札幌行の「北斗星」は北海道新幹線の走行試験や車両老朽化によっては2015年3月に、

同じく札幌行の「カシオペア」は北海道新幹線開業時の電圧の問題によって2016年3月に廃止されました。

こうして上野発の夜行列車は完全に姿を消したのです。

ちなみに2022年現在残っている定期的に運転される夜行列車は、東京発・出雲市行の「サンライズ出雲」と、東京発・高松行の「サンライズ瀬戸」の2本のみになっています。

スポンサードリンク

まとめ

石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」の歌詞の中に登場する、上野発の夜行列車は現在どうなっているかについて解説しました。

上野発・青森行については2014年3月の「あけぼの」を最後に、上野発に限ってみても2016年3月の「カシオペア」を最後に、定期列車は全て廃止されていました。

新幹線の開業によって便利になった一方で、夜行列車のように衰退していく文化があるのは悲しいですが、自然の摂理かもしれません・・・

どれだけ流行っていても、いつかは廃れるとも言えるので、乗れるうちに乗っておくのが大事だと思いました!