台風の日に田んぼや川を見に行く理由は想像以上に闇が深い?農家あるある?

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日常

台風や大雨の時の定番ニュースに次のようなものがあります。

「農家のおじいさんが行方不明になった模様です。ご家族の証言によると田んぼの様子を見に行ってくると言ったまま家に帰ってこず・・・」

そういったニュースが流れるたびにネット上でネタとして扱われることが多いのですが、そもそも何故農家の人は嵐の中を田んぼに行くのかご存じですか?

台風の日に田んぼや川を見に行くのには農家あるあるの闇の深い理由があるのでご紹介します。

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農家の人はなぜ危険な台風の中、田んぼや川を見に行くのか?

「田んぼの様子を見に行く」ことがネタになる要因として「見に行って何をしているのか」知らない節があります。

農家人口は1990年から2000年までのわずか10年間で二割以上減少していて、更に2020年には2000年に比べて半分近くになったというデータもあります。

身の回りに農家の知り合いがいないと知る機会が無いので仕方ないかもしれません・・・

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農家にとっては死活問題

農家の方々は田んぼに行って田んぼの中の水の量を確認しています。そして、水の量や今後の降水量に応じて、田んぼの取水口と排水溝の開口幅を変化させて水の量を調整します。

満水にしなければいけない時期や「中干し」と呼ばれる全く田んぼの中に水が無い状態にしなければいけない時期等、時期によっても最適な水の量は変わってきます。

もちろんこれをしなければ美味しいお米はとれないですし、収穫量にも大きく関わってきます。

特に田植え直後の大雨は水が増量することで、苗が根から浮いてしまい水を排水するときに流されてしまうので、調整しなければ田植えした意味が無いレベルの悲惨なことになってしまいます。

つまり、水の量の調整は、農家にとって生活に関わってくる最重要事項といっても良いのです。

台風等の大雨が降った時でさえもそれを怠ることによって、一年の収入が大きく下がってしまうことを考えると、なかなか「危ないから見に行くな」とは言いにくいでしょう。

もっとも生活のためとはいえ、命を落としては意味が無いので何か良い案は無いかなあと思ってしまいますね・・・

ネットには「知らなかった」という意見があふれる

筆者は実家が農家ですし、実際に水量の調整も任されたことがあるので知っていましたが、農家の数が減少した今、ネット上では「知らなかった」「初耳だ」という声が非常に多くありました。

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「自分だけ良ければいい」という我田引水が引き起こす?

ここからは少し闇の深い話になります。

田んぼに引かれている用水は、それぞれの自治体単位で水利権を持っていて、農業用の水路を通じて、それぞれの田んぼに配られるようになっています。

自治体(もっといえば集落)ごとに管理方法は違うのですが、基本的に農業用水路に流す水の量の調整は、水利権を持つ農家が管理するようになっていて、田んぼを持つ農家の誰かが管理するようになっているのですが、

大元から来る水が少ない時は、どうしても取り合いになってしまいます。

要するに積極的に田んぼの様子を見に行かないと、他人から勝手に自分の田んぼには水が入らないようにされていたり、逆にいっぱい入れられたりということがあるのです。

前者は文字通りの我田引水ですし、後者は・・・もうお分かりですね?

そうです。
台風等の大雨の時は、用水路もあふれるぐらいになってしまうので、見張りが来ていない人の田んぼに水を流すという行為が普通に行われているのです。

それもあって、田んぼの様子を見に行く人が少なからずいるというは事実なのです。

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田んぼや川を見に行かなければならない心理も働く?

ただ、心理学の観点でみると、これだけでは説明が不十分だとされているようです。

これは農家に限った話ではないからです。

例えば災害時に、危険なのは分かっているにもかかわらず、自分が担当している仕事現場の様子を確認しようとしたり、すぐに逃げずに写真や動画を回している人がいませんか?

命が惜しいのであれば、そんなことする必要は無く、ただまっすぐに逃げるべきだと誰しもが分かっているはずなのに、です。

これらは「自分たちの縄張りを維持するために、率先して危険かどうか見極めようとする、スカウティング行為」、すなわち動物の本能が働くため、と言われています。

スカウティング行為は基本的に男性が行うもので、「若い男性」や「初老の男性」に多いそうです。確かに「女性が田んぼの様子を見に行って~」とはあまり聞いたことありませんよね?

対策としては、とにかく行動を開始するまでの時間を極力間延びさせるのが良いとされていて、
「見に行かないといけない!」という衝動を抑えるのが大切です。

身近な人に「田んぼの様子見てくる」と言われたら、
「事故に遭ったら家族や自治体の人にめちゃくちゃ迷惑をかけるよ!!」と強く指摘したりして、とにかく動かない時間を長くとるべきでしょう。

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まとめ

台風や大雨の日に田んぼや川を見に行く行動は、農家の人にとっては死活問題となる「田んぼの水の量を調整するため」という明確な理由があるのです。

一年の収入が大きく変わってくるので水の調整は絶対必要なのですが、

特に台風が来た時等、田んぼに水を送る用水路があふれるような大雨の時は、見張りに行かないと自分の田んぼに勝手に水を取られたり、またその逆もあるという闇の深い農家ならではの理由もありました。

収入はもちろん大事ですが、それ以上に命はかけがえのないものですので、身近な人が「田んぼの様子を見てくる」と言った際は必ず止めるようにしましょう。

また「台風なのになんで田んぼ見に行くねんwww」といって揶揄している人には、正しい理由を優しく教えてあげましょうね!